3D素材を使う時の注意点いくつか。
3Dのソファがあったので、入れてみました。
パースや人の大きさをソファに合わせると、主役の「人」が小さくなります。
背景を切り取って人を大きくすると、室内の様子が分かりにくくなります。
ソファのサイズを無視して人を大きくすると、普通に大きい人になって窮屈そうです。
ソファを傾けて人をゆったり見せようとすると、ソファのアイレベルは棚の上くらいになりました。
部屋や人のアイレベルは3段の棚の中央ですから、ソファのアイレベルだけ異なります。
それに、窓枠は通常80cm以上あるのですが、この絵ではソファの座面より低い35cmくらいです。
でも窓が大きく描かれているので画面が明るくなって華やかになります。
この本のいず地さんは、見栄え良く下書きをして、もしくは3D素材を配置して、キャンパス上で物や配置が破綻しないようにパース定規を当てて線を入れて描いたのではないかと思います。
部屋の紹介ではないので、デフォルメされた人を目立たせるための背景としての部屋はこんな風に描くんだ、と驚きました。
私が使った3Dデザイン人形は「マンガパース」にしてありますが、本の絵ではもっと頭が大きくて画面の奥の方にある腰幅や足は小さくなっていて、顔が強調されています。
頭が妙に大きいのですがアニメ絵でもあるので、頭の大きさは全然気になりません。
こんな構図やポーズは3Dデッサン人形を使わないとなかなか描けなさそうですが、人形に引っ張られてすっきりとした頭の大きさになりそうなものです。
じっくり見てみると面白いことが分って楽しいです。
魚眼を取り入れる。
前回描いた下書きの部屋が庶民的な狭さだったので、
部屋が少しでも広く見える工夫として、家具を低くし、腰高窓を800mmの高さにしました。
窓も横幅広々900mm2枚だと「窓」と認識しづらいので、800mm2枚にしました。
それから、アイレベルが今は人物の目の高さなのですが、あごの辺りにしてみました。見ている人が、少ししゃがんだ感じです。
本と同じよう描いてみて分かったのですが、
- 床から窓枠までの高さが350mm
- ソファの横幅が2100mmと3人掛けのサイズ
- ソファから棚までの距離が3mくらいで、小さな部屋1つ分くらいある
- 棚の奥行きが300mm
窓枠の低さとソファと棚までの距離は見て分かりますが、ソファは横幅が広いと言うよりは少し上から見てるのかな、という見え方な気がします。
アイレベルが低いと言うことは、部屋を見上げている構図になるわけですが、ソファは見下げて更に魚眼になっている感じでしょうか。
人が興味のあるものを見るような場合は魚眼気味にとらえている気もするので、展開した風に描くのもいいなぁと思います。
モデルルームなどを眺めながらパース定規を表示したキャンバスにフリーハンドで描いてみて、それを下敷きにしてサイズも考慮しながらパース定規で描き直すくらいだといいかもしれません。
とりあえず下書きを描いてみた。
3Dデザイン人形で人の下書きができたので、それに合わせたサイズの室内の背景を描きます。
ソファの座面は、人の下の方に当たりを付けているので、それを使ってパースグリッドを設定していきます。
「座面の前端から背もたれまで520mm」と以前設定したので、これを基準にパースグリッドを設定しようと思います。
画面に見えているソファの座面奥の点に「グリッドの原点」を置き、「ツールプロパティ[オブジェクト]」からグリッドのサイズを調整し、座面の奥行きに5.2のグッドがつくようにします。
ソファを描いたら、ソファと床の接点を探します。
「座面髙さ400mm」と設定しているので、奥側の足が画面の中に入っていました。
この足と床の接点を「グリッドの原点」に設定し直します。
パースグリッドのサイズはそのままなので、1メモリ100mmです。
この点から奥の壁までの距離が1000mm、ソファの後ろにある壁までは250mmくらいの隙間があることにしているので、そこから壁と床に接している棚の線を描きます。
今度はこの部屋の角に「グリッドの原点」を設定して、棚と、床から1000mmの位置に腰高窓を描きます。
こうして描いてみると、ものすごく普通な部屋です。
「狭っ苦しいけど、まあこんなもんだよねー」な感じがします。
庶民なので。
棚の1段の高さが360mmでA4サイズ(210×297mm)が余裕で入る高さなので、B5(182×257mm)が入る程度にすると高さは900mm弱、奥行き200mm。
多少圧迫感の軽減につながるかもしれません。
もう一つ気になるのは、窓が画面の上の方にちらっとあるだけになっていることで「囚われているのか?」な雰囲気まで作れてしまいそうな点です。
窓を異常に低くするか、部屋を広大にするか、ソファを窓にくっつけてしまうか。
3Dデッサン人形でポーズを作った。
3Dデッサン人形を、本と同じようなポーズにしてみました。
ものすごく大変でしたが、「お手本と全く同じようする」というのは勉強になります。
デッサン人形は関節の可動域が決まっているため、「人のこの動きって、この関節をこんな風に動かすんだ」という驚きがあります。
([サブツール詳細]パレット→[ポーズ]にある[関節角度制限]のチェックを外すと、関節の可動制限がなくなるそうです)
- 頭を動かしたい時は、首もいじってみる。
- 胸を動かしたいときは、腰にある2か所の可動部分もいじってみる。
この人が寝ていたソファをどう入れたらいいのかと眺めていたら、この3Dデザイン人形の遠近感は、ソファにつけようとしているものと比べるとかなり緩いように思えました。
どうしたものかな、と思ったら「マンガパース」なるものがあるので使ってみました。
「サールプロパティ[オブジェクト]」の中ほどにある「マンガパース」にチェックを入れ、割合を入れます。
今回は「0.78」にしています。
手前にある手と足が大きくなって、奥にある手と足が小さくなる機能らしく、奥にある足が0.78倍になりました。
無いよりは良さそうです。
この人をどうやってソファに納めたものかと描き方のページなどをじっくり見ていたら、「もしや、パソコンやカップだけでなく、この男の子も浮いてるのでは?」と気づきました。
それなら頭やお腹の高さとソファの座面の高さとの関係がしっくりきます。
それでも、腰幅がソファの奥行きに合わない気もしますが、いくらか浮いているならこんなもんでしょうか。
上から見るとこんな感じ。
びっくりしてバタバタっと動いた感じになりました。
3D素材をいじってみた。
CLIP STUDIOでは3D素材が使えるので、楽しみにしていました。
身近にある物や自分の体のパーツちょっとずつ動かして観察したり、写真を撮ってみたりするのも、物の構造を知る上ではとても勉強になりましたが、人を描くうちデッサン人形が欲しいと思うようになっていたところでした。
3Dデッサン人形に慣れるのに時間がかかりました。
上記サイトを知らないまま、解説動画などをみながらいじっていたので思ったように動いてくれず、特に「移動マニュピレータ」の使い方が分からなかったので、
むきーーーー!
と思いながら理科の実験のように操作と動作を一つずつ確認していっていました(笑)。
人物の画像からポーズを付けることもできるそうで、ポーズを付けたデッサン人形をクルクル回せるのはとても嬉しいです。
3D素材から線を抽出することもできます。
素材の種類によって方法は異なるようですが、人物の場合は、まず影を取り除きます。
[オブジェクト]ツールを選択して「ツールプロパティ[オブジェクト]」を表示して中ほどにある「輪郭線」の数値を増やし、その下の「光源の影響を受ける」のチェックを外します。
床に影がついている時は、[オブジェクト]ツールを選択してマウスオーバーすると下に表示される[オブジェクトランチャ―]の右端か左から3番目のアイコンをクリックして
レンダリング設定を変更します。
「光源の影響を受ける」と「床面に影を表示する」のチェックを外すと影がすべて消えます。
ここで輪郭線の幅も設定できるので、太くしておきます。
「レイヤー」メニュー→「ラスタライズ」を選択すると、ラスターレイヤーの絵になりのます。
これで上から線も引けますし、消しゴムで消すこともできます。
グレーのベタ塗りを消して線のみにしたいので、「編集」メニュー→「色調補正」→「明るさ・コントラスト」を選択し、「明るさ」を100、「コントラスト」も100にすると、輪郭線のみになります。
「明るさ」0「コントラスト」30くらいにすると、正中線などが残ります。
体の中に白い色が塗られているので、これを透明にします。
「編集」→「輝度を透明度に変換」を選択します。
これで線画の完成です。
※頭の脇に影が残ってしまいましたが、「床面に影を表示する」のチェックを先に外しておくと、この影はできませんでした。
平面図と立面図から透過図を描いてみた。
平面図と立面図から透視図法に落とし込む方法で絵を描く方法を描いている方がいらっしゃいました。
平面図と立面図も、クリスタの「図形」機能が使えるそうです。
「図形」の「サブツール[図形]」から「長方形」を選び、「ツールプロパティ[長方形]」の「縦横指定」にチェックを入れて縦横の単位を「px」にして値を入れました。
今回は、例えばソファの幅が140cmだったので長方形の幅は140pxと指定するようにしたらちょうどよく収まりました。
ベクターレイヤーで描くと、長方形を簡単に移動できますし、後でサイズを変える時に線の太さを調整してくれるのできれいに出来ると思います。
数字を入れていないこともあって、とても快適に、あっと言う間にできたように思います。
これを二点透過図にしていきます。
パースグリッドで、グリッドの原点を壁と床の角に持ってきて、1グリッド100cmに調整し、壁と床の場所にに印を付けましす。
左下の点がありえない場所になってしまうので、何度も調整しました。。
壁面や床面の長方形を四角く選択し、「編集」メニュー→「変形」→「自由変形」で、壁面などの四隅をパースグリッド上の良い場所に置きます。
この時、「ツールプロパティ[長方形選択〕」パレットに「ベクターの太さを変更」のチェックボックスがあるので、このチェックを外します(下記の画像はチェックが入ったままの絵です)。
窓枠の下が100cmなのに、床から100cmのアイレベルがソファにかかってしまっているのがおかしいのですが…
「グリッドの原点」が床のはずなのに、アイレベルが床だと勘違いしていました。
天井の高さを立面図で2.5mで作り、透過図で3.5mにしてしまったのでソファの高さも1.4倍になっています。
座りにくそうなソファ(笑)。
左側の消失点を棚の中央付近に置いて、ソファの足元をキャンパスの外出したいのですが。。
部屋の1/3ほどを削除して同じように描いてみました。
床が切れるような構図は、この方法では描けないようです。
でも室内を大きく描く時には、とても便利なので、そんな時には使ってみたいと思います。
家具のサイズと位置を決めてパースグリッドで描いてみた。
物のサイズ
まずは家具や部屋のサイズを決めます。
ネットで調べられるので便利でいいです。
ソファの置けるゆったり応接室:4000×3000×h2500mm
2Pソファ:背もたれの幅1400mm 床からの高さ800mm
ひじ掛けの幅720mm 床からの高さ600mm
座面髙さ400mm 座面の前端から背もたれまで520mm
座面の一人分の幅600mm
背もたれの厚み200mm
ひじ掛けの厚み100mm
腰高窓:床から1000mm、窓枠幅1800×高さ1200mm
棚:高さ1100×幅1800×奥行き300mm
クリスタで、グリッドを使って平面図を描いてみました。
慣ていないのもあると思いますがとにかく面倒でした。
使い慣れているベクター形式の高機能ドローイングソフト「Inkscape」にしたら簡単かなと思って、インクスケープで立面図も描いてみました。
それなりに時間はかかりますが、圧倒的に描きやすいと思いました。
とは言え面倒です。
こういうのは描くものなんでしょうか?
でも仕様書的な物はあった方が絶対描きやすいと思うので、しばらくはインクスケープに頼ろうかと思います。
とりあえずパース定規を使って、クリスタで描いてみました。
若干妙なところもありますが、これを下書きにして違和感のないように修正できそうです。
鉢植えは適当ですが、他は平面図・立面図のサイズ感とあっていると思います。
パース定規を使うことで、アイレベルを意識できますし、物の多い部屋の中で消失点がいくつもできるような違和感のある絵にはなりにくくなります。
壁に対して斜めにソファが置かれた場合は、どうするんだろ?
今回気づいたこと
- 「クリスタのパース定規で線が引けなくなった!」で書いたパース定規の利用可・不可のリンク
- 「表示」メニュー→「グリッド」で使えるようになるグリッドでは、「表示」メニュー→「グリッドにスナップ」でスナップさせられるが、パース定規の消失点を表示させていると「グリッドにスナップ」が利かない。
- 二点透視図のパースグリッドは、右の壁・左の壁・床を表すようにするとやりやすい。左右の壁が合わさるラインを基準線にし、基準線と床との接点を「グリッドの原点」に持ってくる。そうすると3つのグリッドに表示される無数の□は同じサイズの正方形を表すことになるので、物のサイズが測れる。基準線に接している棚は、グリッドでサイズを測って壁から生やすように描くとサイズが合う。
- 今回のソファのように、壁から離れるものを描く場合には、消失点が同じで「グリッドの原点」をソファの角の一点に移動する。